黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ミカ書第7章

◆民の腐敗

7章1節 悲しいかな/わたしは夏の果物を集める者のように/ぶどうの残りを摘む者のようになった。もはや、食べられるぶどうの実はなく/わたしの好む初なりのいちじくもない。

7章2節 主の慈しみに生きる者はこの国から滅び/人々の中に正しい者はいなくなった。皆、ひそかに人の命をねらい/互いに網で捕らえようとする。

7章3節 彼らの手は悪事にたけ/役人も裁判官も報酬を目当てとし/名士も私欲をもって語る。しかも、彼らはそれを包み隠す。

7章4節 彼らの中の最善の者も茨のようであり/正しい者も茨の垣に劣る。お前の見張りの者が告げる日/お前の刑罰の日が来た。今や、彼らに大混乱が起こる。

7章5節 隣人を信じてはならない。親しい者にも信頼するな。お前のふところに安らう女にも/お前の口の扉を守れ。

7章6節 息子は父を侮り/娘は母に、嫁はしゅうとめに立ち向かう。人の敵はその家の者だ。

7章7節 しかし、わたしは主を仰ぎ/わが救いの神を待つ。わが神は、わたしの願いを聞かれる。

◆新しい約束

7章8節 わたしの敵よ、わたしのことで喜ぶな。たとえ倒れても、わたしは起き上がる。たとえ闇の中に座っていても/主こそわが光。

7章9節 わたしは主に罪を犯したので/主の怒りを負わねばならない/ついに、主がわたしの訴えを取り上げ/わたしの求めを実現されるまで。主はわたしを光に導かれ/わたしは主の恵みの御業を見る。

7章10節 「お前の神、主はどこにいるのか」と/わたしに言っていた敵は/このことを見て恥に覆われる。わたしの目はこの様を見る。今や、敵は路上の泥のように踏みつけられる。

7章11節 あなたの城壁を再建する日/それは、国境の広げられる日だ。

7章12節 その日、人々はあなたのもとに来る/アッシリアからエジプトの町々まで/エジプトからユーフラテスまで/海から海、山から山まで。

7章13節 しかし、大地は荒れ果てる/そこに住む者の行いの実によって。

7章14節 あなたの杖をもって/御自分の民を牧してください/あなたの嗣業である羊の群れを。彼らが豊かな牧場の森に/ただひとり守られて住み/遠い昔のように、バシャンとギレアドで/草をはむことができるように。

7章15節 お前がエジプトの地を出たときのように/彼らに驚くべき業をわたしは示す。

7章16節 諸国の民は、どんな力を持っていても/それを見て、恥じる。彼らは口に手を当てて黙し/耳は聞く力を失う。

7章17節 彼らは蛇のように/地を這うもののように塵をなめ/身を震わせながら砦を出て/我らの神、主の御前におののき/あなたを畏れ敬うであろう。

7章18節 あなたのような神がほかにあろうか/咎を除き、罪を赦される神が。神は御自分の嗣業の民の残りの者に/いつまでも怒りを保たれることはない/神は慈しみを喜ばれるゆえに。

7章19節 主は再び我らを憐れみ/我らの咎を抑え/すべての罪を海の深みに投げ込まれる。

7章20節 どうか、ヤコブにまことを/アブラハムに慈しみを示してください/その昔、我らの父祖にお誓いになったように。


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