黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ゼパニヤ書第3章

◆エルサレムの罪と贖い

3章1節 災いだ、反逆と汚れに満ちた暴虐の都は。

3章2節 この都は神の声を聞かず/戒めを受け入れなかった。主に信頼せず、神に近づこうとしなかった。

3章3節 この都の中で、役人たちはほえたける獅子/裁判官たちは夕暮れの狼である。朝になる前に、食らい尽くして何も残さない。

3章4節 預言者たちは、気まぐれで欺く者/祭司たちは、聖なるものを汚し、律法を破る。

3章5節 主は、都の中にいまして正しく/決して不正を行われない。朝ごとに裁きを与え、それを光とし/誤りをなさることはない。不正を行う者は恥を知らない。

3章6節 わたしは諸国の民を滅ぼした。彼らの城壁の塔は破壊された。わたしは彼らの街路を荒れるにまかせた。もはや、通り過ぎる者もない。彼らの町々は捨てられ/人影もなく、住む者もない。

3章7節 わたしは思った。「必ず、お前はわたしを畏れ/戒めを受け入れる。わたしがどんなに罰しても/その住む所が断たれることはない。」しかし、彼らはますます堕落を重ね/あらゆる悪事を行った。

3章8節 それゆえ、お前たちはわたしが獲物に向かって/立ち上がる日を待つがよい、と主は言われる。なぜなら、わたしは諸国の民を集め/もろもろの王国を呼び寄せ/彼らの上に、憤りと/激しい怒りを注ぐことを定めたからだ。必ず、地上はくまなく/わたしの熱情の火に焼き尽くされる。

3章9節 その後、わたしは諸国の民に/清い唇を与える。彼らは皆、主の名を唱え/一つとなって主に仕える。

3章10節 クシュの川の向こうから/わたしを礼拝する者/かつてわたしが散らした民が/わたしのもとに献げ物を携えて来る。

3章11節 その日には、お前はもはや/わたしに背いて行った、いかなる悪事のゆえにも/辱められることはない。そのとき、わたしはお前のうちから/勝ち誇る兵士を追い払う。お前は、再びわが聖なる山で/驕り高ぶることはない。

3章12節 わたしはお前の中に/苦しめられ、卑しめられた民を残す。彼らは主の名を避け所とする。

3章13節 イスラエルの残りの者は/不正を行わず、偽りを語らない。その口に、欺く舌は見いだされない。彼らは養われて憩い/彼らを脅かす者はない。

3章14節 娘シオンよ、喜び叫べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。

3章15節 主はお前に対する裁きを退け/お前の敵を追い払われた。イスラエルの王なる主はお前の中におられる。お前はもはや、災いを恐れることはない。

3章16節 その日、人々はエルサレムに向かって言う。「シオンよ、恐れるな/力なく手を垂れるな。

3章17節 お前の主なる神はお前のただ中におられ/勇士であって勝利を与えられる。主はお前のゆえに喜び楽しみ/愛によってお前を新たにし/お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」

3章18節 わたしは/祭りを祝えず苦しめられていた者を集める。彼らはお前から遠く離れ/お前の重い恥となっていた。

3章19節 見よ、そのときわたしは/お前を苦しめていたすべての者を滅ぼす。わたしは足の萎えていた者を救い/追いやられていた者を集め/彼らが恥を受けていたすべての国で/彼らに誉れを与え、その名をあげさせる。

3章20節 そのとき、わたしはお前たちを連れ戻す。そのとき、わたしはお前たちを集める。わたしが、お前たちの目の前で/お前たちの繁栄を回復するとき/わたしは、地上のすべての民の中で/お前たちに誉れを与え、名をあげさせると/主は言われる。


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