黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ゼカリヤ書第1章

1章1節 ダレイオスの第二年八月に、イドの孫でベレクヤの子である預言者ゼカリヤに主の言葉が臨んだ。

1章2節 「主はあなたたちの先祖に向かって激しく怒られた。

1章3節 あなたは彼らに言いなさい。万軍の主はこう言われる。わたしに立ち帰れ、と万軍の主は言われる。そうすれば、わたしもあなたたちのもとに/立ち帰る、と万軍の主は言われる。

1章4節 あなたたちは先祖のようであってはならない。先の預言者たちは彼らに、『万軍の主はこう言われる。悪の道と悪い行いを離れて、立ち帰れ』と呼びかけた。しかし、彼らはわたしに聞き従わず、耳を傾けなかった、と主は言われる。

1章5節 その先祖たちは、今どこにいるか。預言者たちは永遠に生きているだろうか。

1章6節 だが、わたしが僕である預言者たちに/命じた言葉と掟は/先祖たちに届かなかったろうか。彼らは立ち帰って言った。『万軍の主は、わたしたちの歩んだ道と行った業に従って、わたしたちを扱おうと思い定められ、そのようにされた。』」

◆第一の幻

1章7節 ダレイオスの第二年十一月、シェバトの月の二十四日に、イドの孫でベレクヤの子である預言者ゼカリヤに主の言葉が臨んだ。

1章8節 「その夜、わたしは見た。ひとりの人が赤毛の馬に乗って、谷底のミルトスの林の中に立っているではないか。その後ろには、赤毛の馬、栗毛の馬、白い馬がいた。

1章9節 わたしが、『わが主よ、これは何ですか』と尋ねると、ひとりの御使いがわたしに語りかけ、『それが何なのか、教えよう』と言った。

1章10節 すると、ミルトスの林の中に立っている人が答えて、『これらは地上を巡回させるため、主がお遣わしになったものだ』と言った。

1章11節 彼らはミルトスの林の中に立っている主の御使いに向かって答えた。『わたしたちは地上を巡回して来ました。地上の人々はすべて安らかに暮らしています。』

1章12節 それに答えて、主の御使いは言った。『万軍の主よ、いつまでエルサレムとユダの町々を憐れんでくださらないのですか。あなたの怒りは七十年も続いています。』

1章13節 わたしに語りかけた御使いに、主は優しい言葉、慰めの言葉をもって答えられた。

1章14節 わたしに語りかけた御使いはわたしに言った。『呼びかけて言え、万軍の主はこう言われる。わたしはエルサレムとシオンに/激しい情熱を傾け

1章15節 安穏にしている諸国の民に対して激しく怒る。わたしはわずかに怒っただけだが/彼らはそれに乗じて災いをもたらした。

1章16節 それゆえ、主はこう言われる。わたしは憐れみをもってエルサレムに帰り/わが家をそこに建て直させると/万軍の主はこう言われる。エルサレムには、測り縄が張られる。

1章17節 再び、呼びかけて言え。万軍の主はこう言われる。わたしの町々は再び恵みで溢れ/主はシオンを再び慰め/エルサレムを再び選ばれる。』」


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