黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳申命記第19章

◆逃れの町

19章1節 あなたの神、主が国々の民を絶やされ、あなたの神、主があなたにその土地を与えられ、あなたがそれを得て、彼らの町々、家々に住むようになったならば、

19章2節 あなたの神、主があなたに与えて得させられる土地のうちに三つの町を選び分けなさい。

19章3節 そして道のりを測り、あなたの神、主があなたに受け継がせられる領土を三つに分け、人を殺した者がだれでもそこに逃げられるようにしなさい。

19章4節 意図してでなく、積年の恨みによるのでもないのに、隣人を殺してしまった者が逃れて生き延びうるのは、次のような場合である。

19章5節 すなわち、隣人と柴刈りに森の中に入り、木を切ろうと斧を手にして振り上げたとき、柄から斧の頭が抜けてその隣人に当たり、死なせたような場合である。彼はこれらの町の一つに逃れて生き延びることができる。

19章6節 復讐する者が激昂して人を殺した者を追跡し、道のりが遠すぎるために、追いついて彼を打ち殺すことはあってはならない。その人は、積年の恨みによって殺したのではないから、殺される理由はない。

19章7節 わたしはそれゆえ、三つの町を選び分けるようにあなたに命じる。

19章8節 -9節わたしが、今日、あなたに命じるこの戒めをすべて忠実に守って、あなたの神、主を愛し、生涯その道に従って歩むならば、あなたの神、主は、先祖に誓われたようにあなたの領土を広げ、先祖に与えると約束された土地をことごとくあなたに与えられる。そのときには、この三つの町のほかに、更に三つの町を加えなさい。

19章10節 あなたの神、主があなたの嗣業として与えられる土地に罪なき者の血が流され、その責任があなたに及ぶことがないようにするためである。

19章11節 しかし、もしある者が隣人を憎み、待ち伏せして襲いかかって打ち殺し、これらの町の一つに逃れたならば、

19章12節 その犯人を出した町の長老たちは、人を遣わして彼を捕らえ、復讐する者の手に引き渡して殺させねばならない。

19章13節 彼に憐れみをかけてはならない。罪なき者の血を流した罪をイスラエルから除き去れば、あなたは幸いを得る。

◆地境の移動

19章14節 あなたの神、主があなたに与えて得させられる土地で、すなわちあなたが受け継ぐ嗣業の土地で、最初の人々が定めたあなたの隣人との地境を動かしてはならない。

◆裁判の証人

19章15節 いかなる犯罪であれ、およそ人の犯す罪について、一人の証人によって立証されることはない。二人ないし三人の証人の証言によって、その事は立証されねばならない。

19章16節 不法な証人が立って、相手の不正を証言するときは、

19章17節 係争中の両者は主の前に出、そのとき任に就いている祭司と裁判人の前に出ねばならない。

19章18節 裁判人は詳しく調査し、もしその証人が偽証人であり、同胞に対して偽証したということになれば、

19章19節 彼が同胞に対してたくらんだ事を彼自身に報い、あなたの中から悪を取り除かねばならない。

19章20節 ほかの者たちは聞いて恐れを抱き、このような悪事をあなたの中で二度と繰り返すことはないであろう。

19章21節 あなたは憐れみをかけてはならない。命には命、目には目、歯には歯、手には手、足には足を報いなければならない。


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