黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳申命記第2章

◆北上の命令

2章1節 我々は向きを変え、主がわたしに告げられたように、葦の海の道を通って荒れ野に向かって行き、長い間セイルの山地を巡った。

2章2節 主はわたしに言われた。

2章3節 「あなたたちは既に久しくこの山地を巡った。北に向かって行きなさい。

2章4節 あなたは民にこう命じなさい。あなたたちはこれから、セイルに住む親族エサウの子孫の領内を通る。彼らはあなたたちに恐れを抱いているから、よく気をつけなさい。

2章5節 彼らに戦いを挑んではならない。彼らの土地は、足の裏で踏めるほどのものでもあなたたちには与えない。セイルの山地は既にエサウの領地として与えた。

2章6節 食物は彼らから金を払って買って食べ、水も彼らから金を払って買い、飲むようにしなさい。」

2章7節 あなたの神、主は、あなたの手の業をすべて祝福し、この広大な荒れ野の旅路を守り、この四十年の間、あなたの神、主はあなたと共におられたので、あなたは何一つ不足しなかった。

2章8節 我々はセイルに住む親族エサウの子孫を離れ、エイラトとエツヨン・ゲベルからアラバを走る道を避けて向きを変え、モアブの荒れ野に通ずる道を通った。

2章9節 主はわたしに言われた。「モアブを敵とし、彼らに戦いを挑んではならない。わたしはその土地を領地としてあなたには与えない。アルの町は既にロトの子孫に領地として与えた。――

2章10節 かつて、そこにはエミム人が住んでいた。強力で数も多く、アナク人のように背の高い民であった。

2章11節 彼らもアナク人と同様に、レファイム人であると見なされているが、モアブの人々は彼らをエミム人と呼んでいた。

2章12節 セイルには、かつてフリ人が住んでいたが、エサウの子孫は彼らを追い払って滅ぼし、代わってそこに住んだ。これは、イスラエルが主から与えられた領地を手に入れたのと同様であった。――

2章13節 さあ、立ち上がって、ゼレド川を渡りなさい。」我々はゼレド川を渡ったが、

2章14節 カデシュ・バルネアを出発してからゼレド川を渡るまで、三十八年かかった。その間に、主が彼らに誓われたとおり、前の世代の戦闘員は陣営に一人もいなくなった。

2章15節 主の御手が彼らに向けられ、陣営に混乱が引き起こされ、彼らは死に絶えたのである。

2章16節 戦闘員がこうして皆、民の中から死に絶えた後、

2章17節 主はわたしに仰せになった。

2章18節 「あなたは、今日、モアブ領アルを通り、

2章19節 アンモンの人々のいる所に近づくが、彼らを敵とし、彼らに戦いを挑んではならない。わたしはアンモンの人々の土地を領地としてあなたには与えない。それは既にロトの子孫に領地として与えた。」――

2章20節 ここも、レファイム人の土地と見なされている。レファイム人はかつてここに住んでいた。アンモン人は彼らをザムズミム人と呼んでいた。

2章21節 彼らは強力で数も多く、アナク人のように背が高い民であったが、主が彼らを滅ぼされたので、アンモン人は彼らを追い払い、代わってそこに住んだ。

2章22節 それは、セイルに住んでいるエサウの子孫のために主がなさったことと同様である。主は彼らの前からフリ人を滅ぼされたので、エサウの子孫は彼らを追い払い、代わってそこに住み、今日に至っている。

2章23節 また、カフトル島から来たカフトル人はガザとその近くの村落に住んでいたアビム人を滅ぼし、代わってそこに住んだ。――

◆ヘシュボンの王シホンとの戦い

2章24節 「立ち上がって進み、アルノン川を渡りなさい。見よ、わたしはヘシュボンの王アモリ人シホンとその国をあなたの手に渡した。シホンに戦いを挑み、占領を開始せよ。

2章25節 今日わたしは天下の諸国民があなたに脅威と恐れを抱くようにする。彼らはあなたのうわさを聞いて、震えおののくであろう。」

2章26節 わたしは、まずケデモトの荒れ野からヘシュボンの王シホンのもとに友好使節を送って、こう述べさせた。

2章27節 「領内を通過させてください。右にも左にもそれることなく、公道だけを通ります。

2章28節 食物は金を払いますから、売って食べさせ、水も金を払いますから、飲ませてください。徒歩で通過させてくださればよいのです。

2章29節 セイルに住むエサウの子孫やアルに住むモアブ人が許可してくれたように、ヨルダン川を渡って、わたしたちの神、主が与えてくださる土地に行かせてください。」

2章30節 しかし、ヘシュボンの王シホンは我々が通過することを許さなかった。あなたの神、主が彼の心をかたくなにし、強情にしたからである。それは今日、彼をあなたの手に渡すためであった。

2章31節 主はわたしに言われた。「見よ、わたしはあなたにシホンとその国を与える。それを取るために占領を開始せよ。」

2章32節 シホンは全軍を率いて出撃し、ヤハツで我々を迎え撃とうとしたが、

2章33節 我々の神、主が彼を我々に渡されたので、我々はシホンとその子らを含む全軍を撃ち破った。

2章34節 我々は町を一つ残らず占領し、町全体、男も女も子供も滅ぼし尽くして一人も残さず、

2章35節 家畜だけを略奪した。それだけが、我々の占領した町々の戦利品であった。

2章36節 川沿いの町、すなわちアルノン河畔のアロエルからギレアドに至るまで、我々の手に陥らなかった町は一つもなかった。そのすべてを我々の神、主は我々に与えられた。

2章37節 ただし我々の神、主が禁じられたアンモンの人々の領地、すなわちヤボク川沿いの全域と山地の町々に、あなたは近づかなかった。


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