黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ヨシュア記第17章

◆マナセ族

17章1節 マナセ部族もくじで領地の割り当てを受けた。マナセはヨセフの長男である。マナセの長男マキルは、ギレアドの父で、戦にたけ、ギレアドとバシャン地方を手に入れた。

17章2節 他のマナセの子孫、すなわちアビエゼル、ヘレク、アスリエル、シケム、ヘフェル、シェミダの人々も、氏族ごとに割り当てを受けた。彼らはヨセフの子マナセの子孫であって、氏族ごとの男子である。

17章3節 ツェロフハドは、マナセ、マキル、ギレアド、ヘフェルと続く家系に属していたが、彼には息子がなく、娘だけであった。娘たちの名は、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァといった。

17章4節 彼女たちは、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュア、および指導者たちの前に進み出て、「主はわたしたちにも親族の間に嗣業の土地を与えるように、既にモーセに命じておられます」と申し立てた。彼女たちは、主の命令に従い、父の兄弟たちの間に嗣業の土地を与えられた。

17章5節 マナセ族にはこうして、ヨルダン川の東、ギレアドとバシャン地方のほかに、十の地域が配分された。

17章6節 マナセの娘たちが、息子たちと共に嗣業の土地を受け継いだからである。ただしギレアド地方は、他のマナセの子孫のものとなった。

17章7節 マナセの領域は、アシェル領からシケムに近いミクメタトに広がり、更に南に延び、ヤシブ・エン・タプアに至った。

17章8節 タプア地方はマナセ領に属するが、境界線にあったタプアはエフライムの人々に属した。

17章9節 国境は更にカナ川沿いに下っていたが、川の南岸の町々はマナセの町々の中にありながらエフライムに属していた。マナセの国境は、川の北岸に沿い、海に達する。

17章10節 すなわち川の南はエフライム領、北はマナセ領であった。西は海がその境となり、北はアシェル領、東はイサカル領と接していた。

17章11節 またイサカルおよびアシェル領内でも、ベト・シェアン、イブレアムとそれぞれの周辺村落、ドルおよびエン・ドルの住民とそれぞれの周辺村落、タナク、メギドの住民とそれぞれの周辺村落など三つの台地はマナセに属した。

17章12節 マナセの人々はこれらの町を占領できなかったので、カナン人はこの地域に住み続けた。

17章13節 イスラエルの人々は強くなってからも、カナン人を強制労働に従事させただけで、徹底的に追い出すことはできなかった。

◆ヨセフの一族の開拓地

17章14節 ヨセフの子らがヨシュアに、「あなたはなぜ、ただ一つのくじによる嗣業の土地、一つの割り当てしかくださらないのですか。わたしの民は、主に祝福されて、これほど数多くなりました」と言うと、

17章15節 ヨシュアは答えた。「あなたの民の数が多くて、エフライムの山地が手狭なら、森林地帯に入って行き、ペリジ人やレファイム人の地域を開拓するがよい。」

17章16節 ヨセフの子らが、「山地だけでは足りません。しかし平地に住むカナン人は、ベト・シェアンとその周辺村落の住民もイズレエル平野の住民も皆、鉄の戦車を持っています」と言うと、

17章17節 ヨシュアはヨセフの家、すなわちエフライムとマナセに答えた。「確かにあなたは数も多く、力も強い民となった。あなたの割り当ては、ただ一つのくじに限られてはならない。

17章18節 山地は森林だが、開拓してことごとく自分のものにするがよい。カナン人は鉄の戦車を持っていて、強いかもしれないが、きっと追い出すことができよう。」


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