黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳イザヤ書第33章

◆救いを求める祈り

33章1節 災いだ、略奪されもしないのに、略奪し/欺かれもしないのに、欺く者は。お前は略奪し尽くしたときに、略奪され/欺き終えたときに、欺かれる。

33章2節 主よ、我らを憐れんでください。我々はあなたを待ち望みます。朝ごとに、我らの腕となり/苦難のとき、我らの救いとなってください。

33章3節 どよめきの声によって、もろもろの民は逃げ/あなたが立ち上がられると、国々は散る。

33章4節 いなごが奪い去るように、戦利品を奪い去り/ばったが跳ねるように/人々はそれに飛びつく。

33章5節 主は、はるかに高い天に住まわれ/シオンに正義と恵みの業を満たされる。

33章6節 主はあなたの時を堅く支えられる。知恵と知識は救いを豊かに与える。主を畏れることは宝である。

◆正しい者を守られる神

33章7節 見よ、アリエルの人々は巷で叫び/平和の使者たちはいたく嘆く。

33章8節 大路は嘆き、荒れ果て、道行く者は絶える。人は契約を破り、証人を退け/人を人と思うこともない。

33章9節 大地は嘆き、衰え/レバノンは辱められて、枯れ/シャロンは荒れ地となり/バシャンとカルメルは裸になる。

33章10節 今や、わたしは身を起こすと/主は言われる。今や、わたしは立ち上がり/今や、自らを高くする。

33章11節 枯れ草をはらみ、わらを産め/火のような霊がお前たちをなめ尽くす。

33章12節 もろもろの民は、焼かれて石灰となり/切られた茨が、火に燃やされる。

33章13節 遠くにいる者よ/わたしの成し遂げたことを聞け。近くにいる者よ、わたしの力強い業を知れ。

33章14節 シオンで罪人は恐れ/神を無視する者はおののきに捕らえられた。我々のうち、誰が/焼き尽くす火の中にとどまりえようか。我々のうち、誰が/とこしえに燃える炉の中にとどまりえようか。

33章15節 正義に歩み、正しいことを語り/虐げによる利益を退け/手を振って、賄賂を拒み/耳をふさいで、流血の謀を聞かず/目を閉じて、悪を見ようとしない者

33章16節 このような人は、高い所に住む。その高い塔は堅固な岩。彼の糧は備えられ、水は絶えることがない。

◆主は我らの王

33章17節 あなたの目は麗しく装った王を仰ぎ/遠く隔たった地を見る。

33章18節 あなたの心はかつての恐怖を思って言う。あのとき、数を調べた者はどこにいるのか/量った者はどこにいるのか/やぐらを数えた者はどこにいるのか、と。

33章19節 あの傲慢な民をあなたはもはや見ない。その民の唇は重くて聞き分けることができず/舌はどもるので理解しえなかった。

33章20節 シオンを仰ぎ見よ、我らの祝祭の都を。あなたの目はエルサレムを見る。それは安らかな住まい/移されることのない天幕。その杭は永遠に抜かれることなく/一本の綱も断たれることはない。

33章21節 まことに、そこにこそ/主の威光は我らのために現れる。そこには多くの川、幅広い流れがある。櫓をこぐ舟はそこを通らず/威容を誇る船もそこを過ぎることはない。

33章22節 まことに、主は我らを正しく裁かれる方。主は我らに法を与えられる方。主は我らの王となって、我らを救われる。

33章23節 お前の船の綱はゆるみ/帆柱の基を固くすることも/帆を張ることもできない。そのとき、多くの戦利品が分配され/足の弱い者も獲物を奪う。

33章24節 都に住む者はだれも病を訴えることはない。都に住む民は罪を赦される。


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