黒崎幸吉著 註解新約聖書 Web版

新共同訳ホセア書第11章

◆神の愛

11章1節 まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。

11章2節 わたしが彼らを呼び出したのに/彼らはわたしから去って行き/バアルに犠牲をささげ/偶像に香をたいた。

11章3節 エフライムの腕を支えて/歩くことを教えたのは、わたしだ。しかし、わたしが彼らをいやしたことを/彼らは知らなかった。

11章4節 わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き/彼らの顎から軛を取り去り/身をかがめて食べさせた。

11章5節 彼らはエジプトの地に帰ることもできず/アッシリアが彼らの王となる。彼らが立ち帰ることを拒んだからだ。

11章6節 剣は町々で荒れ狂い、たわ言を言う者を断ち/たくらみのゆえに滅ぼす。

11章7節 わが民はかたくなにわたしに背いている。たとえ彼らが天に向かって叫んでも/助け起こされることは決してない。

11章8節 ああ、エフライムよ/お前を見捨てることができようか。イスラエルよ/お前を引き渡すことができようか。アドマのようにお前を見捨て/ツェボイムのようにすることができようか。わたしは激しく心を動かされ/憐れみに胸を焼かれる。

11章9節 わたしは、もはや怒りに燃えることなく/エフライムを再び滅ぼすことはしない。わたしは神であり、人間ではない。お前たちのうちにあって聖なる者。怒りをもって臨みはしない。

11章10節 獅子のようにほえる主に彼らは従う。主がその声をあげるとき/その子らは海のかなたから恐れつつやって来る。

11章11節 彼らは恐れつつ飛んで来る。小鳥のようにエジプトから/鳩のようにアッシリアの地から。わたしは彼らをおのおのの家に住まわせると/主は言われる。


[前 章][次 章]